世界的な広がりを見せている「サル痘」、心配するのはやはり感染すると死んでしまうのか?ではないでしょうか。しっかりとした知識が無いと判断に迷い余計な不安にさいなまれますよね。ここではサル痘の特徴を把握し理解していきたいと思います。

サル痘(とう)とは
サル痘をわかりやすく簡単に言ってしますと「体中に大豆のような丸い発疹が出来る」のが特徴で、日本では感染症法において四類感染症に指定されている病気です。
サル痘は本来多種の哺乳類に感染するそうで、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスを病原体としていおり、動物で一番感染しているのはネズミ(げっ歯類)だそうです。ではなぜ病名にサルがつくのか、その理由は1958年デンマークのコペンハーゲンで輸入されたサルに水疱が発症したのが一番最初に見つかったからなのです。
人への感染が確認されたのは1970年の事で、現コンゴ民主共和国にて9歳の子供が最初だそうです。その後もアフリカ近郊では幾度か発見されたのですが、軽症で2週間程度で完治し重症化しないことから世界的、感染症界隈からもあまり注視されませんでした。
しかし2003年突然サル痘が注目されたのです。それは米国において多数の州で感染者が確認されだしたからです。この時はサルからではなくプレリードッグが感染源だったそうです。こうしてサル痘は世界的な感染症として認知されたようです。
サル痘の症状とは
※数値については厚生労働省参考
・潜伏期間:通常7-14日(最大5-21日)
・臨床症状:発熱、頭痛、リンパ節腫脹症状0-5日程度、発熱1-3日後に発疹が出現。
:皮疹は顔面や四肢に出現、徐々に隆起して水疱、膿疱、痂皮となっていく。
:多くの場合2-4週間持続し自然軽快する。
:患者の健康状態、合併症などにより重症化することがある。
・診 断:水疱や膿疱の内容液や蓋、組織を用いたPCR検査による遺伝子の検出となる。
:ウイルス分離・同定、ウイルス粒子の証明、蛍光抗体法などの方法がある。
・治 療:確立されたものはなく対症療法となる。
・ワクチン:天然痘ワクチンが約85%発症予防効果があるとされている。
※日本には効果が高く副反応が小さい天然痘ワクチンがある。そしてテロ対策の一環として国家備蓄もされており余程の事がない限り対応できるようです。
※2022年5月以降の流行では、特種で病変が会陰部、肛門周囲や口腔などに集中しており、全身性の発疹が見られない場合があるようだ。

サル痘の感染経路は
一般的に言われているのは、感染した動物(主にげっ歯類リス・ビーバー・ネズミ)に接触すると感染します。接触においては病変箇所、体液、血液、後は噛みつかれる、引っかかれる場合も対象です。
5月以降に感染者が拡大しているようですが、本来は人から人への感染はまれで、感染するにも長時間密接な接触が必要とされているようです。例えば、感染者と対面し長時間において飛沫を受ける、性的接触を行う、など濃厚な内容になります。
当初は男性が多く発症しており最近では「市中感染」や女性でも確認されたことから特定の条件で発生するわけではないと言われだしており、人への感染警戒が必要だしています。
サル痘の予防には
本来サル痘の重症化は極まれであり、自然治癒するほど、軽症なものであります。しかし2022年1月以降ではコンゴ民主共和国、ナイジェリアなど8か国で1500人以上が感染、そのうち72人が死亡されています。

現時点では西アフリカのナイジェリアと中央アフリカのコンゴ民主共和国では、別々のウイルスが拡散しているます。更に比較すると西アフリカでは致死率1-3%なのに対し、中央アフリカは重症化しやすく致死率は10%まで上がります。重症に至る場合はコロナと逆で幼児、妊婦、など低年齢が多く、後はどうしても免疫不全の基礎疾患をもつ方が多いようです。
帰国者の発症例では、ナイジェリアからが多く確認されています。しかしアフリカ以外での死亡報告は確認されてはいません。
欧米においても最大の予防としてワクチンを用意しているようですが、やはり海外でもこれといった特効薬はいまだ存在していないようだ。
症状があった場合どうする
厚生労働省によりますと
・サル痘を疑う症状が見られた場合、最寄りの医療機関に相談してください。
・医療機関を受診される際にはマスクの着用や発疹部位をガーゼなどでおおう等の対策をしたうえで受診してください。
上記の事を守り速やかに医療機関へ相談するよう呼びかけています。
2022年7月に国内でも感染者がでたようですが、今度こそ未然に防ぎ拡大を阻止し命の犠牲がなきよう願います。